はじめに

 現在、文部省諮間機関である中央教育審議会において、21世紀に向かっての教育のあり方、内容、方法等に関して、様々な議論が展開されている。本報告書は、高度情報化社会に向かってますます重要となっていくであろう情報教育に関する要望および学習指導要領素案をまとめたものである。情報教育に関する考え方や内容は様々な立場からの議論があり、また実践がなされているが、世芥的な動向を念頭に入れながら、我が国のあるべき姿や期待を調査・検討し、ここに上記内容を提案するものであ る。

 本報告書作成活動において、教育工学関連学協会連合の下に、情報教育プロジェクト委員会が構成され、さらに実質的な作業を行うためのワーキンググループが構成され、そこで調査・議論・検討がなされてきた。完全なものというのではなく、あくまでも情報教育に関わる学協会組織の方々の考え方や様々な資料をもとにしながら、ワーキンググループが検討し、まとめた中間的な報告書である。それ故、今後さらに内容の妥当性、適切性、一貫性、整合性守を慎重に精査し虹すことも必要とされよう。しかしながら、現時点で、具体的なものを提供することに意義を見出していただき、本報告書をたたき台として、より活発な議論、意見が展開されることを期待するものである。

 情報教育は、既に現学習指導要領のもとで、小・中.高にわたって体系的に分散カリキュラムが構成され、若実に実践がなされている。そういった実態を踏まえて、本報告書はより一層の充実を図るというスタンスに立ちながら高度情報化社会における、新たな人間の能力を創出し育成していくための課題と内容を提案するものである。

    電気通信大学大学院
  情報システム学研究科
教授  岡本敏雄


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