2 内容
3 内容の取扱い
(l)内容の構成及びその取扱いに当たっては、次の事項に配慮するものとする。
ア 中学校情報科との関連を十分考慮するとともに、高等学校各教科との連携を図り、実験、実習や課題研究を重視するような年間指導計画を立て、それらの活動を通して、体験的にシステム的な見方や考え方を修得させること。イ アで述べた他教科との関連を図るためにも、なるべく早い学年で実施し、他教科の学習における問題解決活動を主体的に実施するための基礎を養う目的で指導することが望ましい。
ウ 内容の(l)から(4)までの事項を有機的に組み合わせ、全体として網羅的にならないように留意すること。特に、(4)については、(l)から(3)までの学習に基づき、生徒自らが情報化社会の現状と課題を主体的に調査、検討する活動を取り入れること。
エ 内容の(2)については、概念的に扱うのではなく、身近な具体例を取り上げ、活動とその評価を通して問題解決の方法を修得させるものとする。
オ 体験的理解という観点から、コンピュータやネットワークなど、各学校に導入されている情報機器を活用して、活動を行えるように計画すること。
(2)内容の範囲や程度については、次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(l)のアについては、実験を通して、言語以外にボディランゲージや表情などが伴うことの効果、表したい情報の内容を文字、音声、絵、映像などの異なる表現形態で表現した時の理解のしやすさの効果などを体験的に理解させる。
その際、実験の道具としてさまざまなメディアを利用し、メディアの特性についても理解させる。また、単に体験するだけでなく、その原因を理解させるために、人間の情報処理の心理学的背景にも触れる。ただし、情報の質、量、形態の細かい定義には踏み込まない。イ 内容の(l)のイについては、アの学習の上にたって、情報伝達の具体的場面を挙げ、その時の適切な情轍伝達の手段を検討させて、実験し、評価させる。また、情報伝達が常に正しく行われないという事実を認識させ、情報を操作することの功罪、情報伝達の信頼性を高めることの必要性について認識させる。また、情報を収集する際にも、問いかけの仕方の工夫や、信頼性を高めるための確認が重要であることを検討させる。
ウ 内容の(l)のウについては、例えば、データベースの設計を題材として、目的に応じた情報の収集・整理を行うことが重要であること、共同作業を題材として、作業手順や役割分担を明確にしておくことが必要なこと、コンピュータ等の利用において、処理手順を明確に記述することが必要なことなどを扱う。
エ 内容の(l)のエについては、アからウの学習をまとめ、情報処理機器としてのコンピユータ、コミュニケーションツールとしてのメディアの特性をまとめる。その中で、メディア発達の歴史についても触れることとする。
オ 内容の(2)については、人、社会、科学技術などが総合的に関わる環境間題など、総合的な視点が必要な身近な問題を扱うこと。また、活動の中で、内容のエとして、対象のモデル化と記述方法、アルゴリズム化、シミュレーションによる評価、集団における合意形成の方法などに触れるものとする。
カ 内容の(3)については、特に、コンピユータやネットワークを中心とした情報技術に焦点を当て、コンピュータでさまざまな情報を扱うための概念や技術、コンピュータの機能(表現、処理、蓄積、検索、伝達等)と目的に応じた活用方法について、広域ネットワーク(インターネットなど)の活用などを含めて具体例を交えながら体系的に取り扱うものとする。
キ 内容の(4)については、情報化の光と陰の両面をバランスをとって扱うものとする。価値観を押しつけるのではなく、生徒白身に情報の意義と課題を主体的に考えさせることに留意する。特に、情報技術の変化が急速であることに考慮し、技術と社会との関わりを固定的に捉えることがないように配慮する。
2 内容
3 内容の取扱い
(l)内容の構成及びその取扱いに当たっては、次の事項に配慮するものとする。
ア 中学校情報科との関連を十分考慮するとともに、高等学校各教科との連携を図り、特に、他教科の学習におけるも問題解決活動を主体的に実施するための基礎を養う目的で指導することが望ましい。イ 内容の(l)から(4)までの事項を有機的に組み合わせ、情報技術の発達や社会的ニ一ズを理解する上で、情報学的なものの見方が重要であることを認識させるという観点で個々の内容についての基礎を指導すると同時に、課題解決活動を柱として全体の連携を図る。
ウ 内容の(l)については、いくつかの代表的な情報技術を取り上げ、その基本原理の説明に関連づけて、情報の存在や情報表現の方法を説明する。また、人間の思考やコミュニケーションを情報学的観点から説明し、情報技術が発達する前と現在とを比較して、社会の変化を取り扱うものとする。
エ 内容の(2)については、主に、コンピユータとネットワークを中心に扱い、コンピュータの働きやさまざまな情報を扱うための工夫、例えばWWWのホームページを作成することによる情報の発信や、インターネット上での情報探索によって効果的な情報の取得ができること、またさまざまなソフトウェアの種類などの実習を取り入れて指導する。なお、その際、基本ソフトウェアの構成と機能についても、必要事項については取り扱うものとする。
オ 内容の(3)については、概念的に扱うのではなく、身近な具体例を取り上げ、活動とその評価を通して間題解決の方法を修得させるものとする。
カ 内容の(4)については、(l)から(3)の学習に基づき、情報技術に対する社会的ニーズを認識させ、その役割と効果を理解させるとともに、豊かな情報化社会を創造するための課題に気づかせる。
(2)内容の範囲や程度については、次の事項に配慮するものとする。
ア 内容の(l)については、電話やAV機器など、身近な題材を用いて、情報の概念を扱うものとする。ただし、機器の細かい原理にまでは深入りしない。情報の表現については、アナログとデジタルの違い、音声や画像に関する代表的な表現方法の概略を扱う。イ 内容の(2)については、コンピユータ及びネットワークの機能について、広域ネットワーク(インターネットなど)のしくみを踏まえながら、情報の表現、処理、蓄積、検索、伝達といった観点と、取り扱う情報の形態の観点で分類し、それ等と関連づけて、基本ソフトのしくみと機能及び目的に応じたさまざまなソフトウェアについて説明する。内容のウについては、プログラミングにこだわらず、応用ソフトウェアの活用を図ることとする。
ウ 内容の(3)については、住所録データベースの設計や、家の設計、文化祭の企画などの身近な題材を取り上げて指導する。
エ 内容の(4)については、情報の共有や再利用、生涯学習、時間的・空間的制約からの解放など、さまざまな理由から情報技術へのニーズがあることを具体例で示す。また、その一方で、半導体産業や電力需要の増加に伴う環境間題、テクノストレスやVDT障害などの健康間題、情報化社会特有の犯罪やプライバシー、著作権の侵害など、解決すべき課題があることを示し、それらを解決するには、技術の改良と社会的合意と形成、倫理観の育成が重要であることを認識させる。