カリキュラムの具体的な実施のために

 作業を進めるに当たって、本グループでは、システム的な見方を土台にし、システムの外部表現であるIPOC(Input- Process-Output-Circumstances )の4つの視点を用いて、高等学校での「文系情報」の科目設計について、具体的に考えてみた。
 IPOC(Input- Process-Output-Circumstances )では、下図のように、中央にProcessとしての学習過程がある。このプロセスの全体像を設計することが、カリキュラム開発と見ることもできよう。
 




 IPOCに基づいた科目設計の考え方から、まず、高等学校の学習者の状態、すなわち、入力、出力について、仮定を設定することにする。

                    【 入力の仮定】
 以下、主語は未学習者で、記述内容はそのイメージである。

                    【 出力の仮定】
 以下、主語は既学習者で、記述内容はそのイメージである。
 さらにこのシステムを機能させるための、Circumstances(環境)を整理すると次のようになる。


                    【 環境についての仮定】
 社会的環境
 学校での環境
 本研究では、これらの環境条件が整っていることを前提に、カリキュラムの構成をおこなった。しかし、現実には、環境の多くは未整備であり、カリキュラムの実施のためには、単に、学習内容の整理だけでなく、学習環境の整備や、社会的認識の変化、制度の変革などとの関連をにらみあわせながら、進めていくことが重要であることが示唆される。


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