B.兵庫県加東郡の各公立学校の事例
1.情報環境
| (1)コンピュータ | マッキントシュ |
| (2)台数 | 1台 |
| (3)配置 | 兵庫教育大学 学校教育研究センター内 |
| (4)ネットワークの形態 | センター内LAN + 512Kbpsで本部キャンパスと接続 |
| (5)サーバ | WWWサーバ(UNIX),cacheサーバ(UNIX),Mailサーバ(UNIX) |
| (6)アカウント(ID) | 作成教員の個人アカウントを使用 |
| (7)コメント |
兵庫県加東郡は社,滝野,東条の3町から構成されており,それぞれに町立の社中学校,滝野中学校,東条中学校が設置されている。これらの学校にはパソコン教室が設置されているが,インターネットへ接続されている学校は1校もない。社町では学校事務を含めた町務に利用しているネットワークがあり,それを拡張する形で各学校をインターネットへ接続することも検討しつつあるようである。
2. 支援体制
兵庫教育大学の学校教育研究センターでは,地域の学校の教員に対しても教育のためのコンピュータ利用に便宜を図っている。この地域でインターネットに加入している学校が1校もないため,電子メール等の利用や,ホームページの作成について講習を行ったり,学校のホームページをセンター内の機器を利用して作成,設置するなどの支援を行っている。そのための機器整備や管理等は全て学校教育研究センターで行っている。利用に供している教育工学実験室は,前項の【図3-2-4】【図3-2-5】で示した環境である。
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3.実践の意図
1)教師の考え方
加東郡には郡内の各公立学校を担当する外国人教員が1名配置されている。この外国人教員は,各学校に一定期間ずつ勤務し,それぞれの学校で英語教育の一部を担当する。この授業の中では,外国人教員の母国であるアメリカについての紹介などが含まれている。この中で,現在のアメリカを紹介するWWWページなどを教材として利用している【図3-2-8】【図3-2-9】。
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また【図3-2-10】【図3-2-11】のような,日本の学校の例として加東郡の学校を紹介するページや,日本の文化などを紹介するページを英語と日本語で作成し,各中学校での英語の授業や,社町の姉妹都市であるアメリカオリンピア市の学校に通う生徒らに情報を提供している。
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4.学習活動
- (1)学年 1,2,3 年生
- (2)教科 英語
生徒らは外国人教員による通常の一斉授業を受けている。生徒らが直接コンピュータ等を操作することはなく,インターネットを利用して準備,作成された教材が学習者に提示,あるいは配布される。生徒らはそれらを見ながら,現在のアメリカの状況や英語表現の学習をする。特にオリンピア市を紹介する【図3-2-11】のようなページには,姉妹都市交流で社町からオリンピア市に派遣された町民あるいは生徒らが撮影してきた写真を掲載して紹介したページを含めており,より身近に感じられる教材を利用することができるようになっている。
5.成果と課題
外国人教員による授業であり,利用される教材も新しいものであるため,学習のための動機づけとしての効果が認められるようである。特に姉妹都心に関する情報では,"オリンピア通り" など愛称等の由来など地元に関連する内容に触れる場面もあり,身近に感じることができる教材を用いることができるため,学習意欲を増進することができているようである。
しかし,短期間だけの授業であり,授業をもとにして生徒らが主体的にインターネットを活用する場がないため,発展性という観点からは問題が残る。また,教員の中にも,特別な授業という感覚があるためか全校的な取組とはなっていない。
【図3-2-11 姉妹都市オリンピア市を紹介するWWWページ】
(森広浩一郎:兵庫教育大学学校教育学部)
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