| (1)コンピュータ | (2)台数 | (3)配置 |
| Macintosh LC630 | 20台 | コンピュータルームに集中配置(児童用) |
| 〃 | 5台 | コンピュータルームと教科準備室に分散配置(教師用) |
| Macintosh PowerBook520C | 10台 | 状況に応じて各所で使用(児童・教師用) |
| Pioneer MacMPC-100 | 3台 | 図書室マルチメディアコーナーに設置(児童用) |
| 〃 | 7台 | 教科準備室に分散配置(教師用) |
| Fujitsu MARTY | 10台 | 図書室マルチメディアコーナーに設置(児童用) |
| Panasonic 3DO-REAL | 10台 | 状況に応じて各所で使用(児童用) |
(4) ネットワ−クの形態
金沢大学基幹LAN(KAINS)の一環として192Kで常時接続。コンピュータルームの20台と図書室の3台は常にインターネット接続で,授業時間以外は児童に開放している。
(5) サ−バ
基本的には教育学部のWSをサーバとするが,WWWサーバおよび児童用Nameサーバを学校内ホストでたちあげる予定。
(6) アカウント
児童用メールアカウントに関しては現在検討中。
(7) その他のコメントなど
コンピュータの導入に際しては,コンピュータそのものを入れるというのではなく,マルチメディア環境を導入するという考え方で設計した。従って,同時にマルチメディアを用いた子どもの自己表現のために,デジタル静止画像を撮影できるカメラ,動画収録用のハンディタイプのビデオカメラ,音楽学習用のソフトと音源付きキーボードを各10台ずつ導入した。また,それらを子どもの要求に合わせてさまざまな場所での学習に使えるように,ノート型パソコンも購入した。
また,コンピュータルームに設置した全てのデスクトップ型パソコンのモニターでは,ハイビジョン映像をハイバンド規格のまま見ることができるようになっている。それに伴い,ハイビジョン映像の録画用デッキ(上位互換のため,VHS,S-VHSも再生・録画可能)も同時にシステム化した。この結果,コンピュータルームは,単に情報教育のための部屋ではなく,ハイビジョンを個別に視聴(至近距離で見るという意味)できる視聴覚室の役割をもつことになった。
コンピュータルームにおけるパソコンの設置は,壁沿いにコの字型になるようにした。このことによって,幸い通常の教室よりも広い面積が取れたこともあって,教室中央にスペースができる。そこにキャスター付きのテーブルを配置した。授業者は,教室を1周することでコンピュータを操作する子どもたちの様子と画面を観察することができ,また一斉に指導したい場合は中を向かせて中央の机でノートを取らせるようなこともできる。
2)具体的方略
コンピュータの基本の部分,すなわち,絵を含む情報を作ったり加工したりして,それらを結びつけることができるということを理解させるために,最初に2枚のカードからなるハイパーカードのスタック「パタパタアニメ」から導入した。これは,2枚の連続する絵をつくり,それを交互に出すことで動きやストーリーを表現しようというもので,東京の刈宿実践からヒントを得ている。
子どもたちの間で,自然に知識の伝播が行われるように,コンピュータは基本的には常時開放している。その結果,学年の区別なく,知っている者が知らない者に使い方を教える光景が,日常的に見られるようになっている。
そんな中,ネットワークの設定などを勝手に変更できる子どもも出現し,授業での利用に差し支える事も考えられるので,現在の所,システムなど変更されると困る部分をブロックするために,AtEaseを用いて制限をかけている。ただし,今後様子を見てはずすこともあり得る。ただ,このブロックのおかげで,安心して開放できるという側面も否定できない。

【図3-1-7 Cu-SeeMeを用いて和歌山附属小と交流】
【図3-1-8 和歌山附属小から送られた情報を見る】
オーストラリアとの交信が休止中,平成8年1月18日に,和歌山大学附属小学校とCU-SeeMeで情報交換を行った。それぞれの特産物や方言などの発表が行われた。金沢192kbps―和歌山128kbpsなので,当初計画した5セットずつの交信は非現実的だということで,CU-SeeMe2セットで,2つの班に分かれて交流した。さらに1月25日に2回目の交流を実施した。
操作も自分たちで行ったため,1回目はつながって音声・映像のやりとりができるだけで大騒ぎをしていたのだが,2回目は内容的にも充実した交信になった。交信の前日には班に分かれて交信内容を計画,制作する時間も設定された。その中で作られた作品を図に示す。
2月に九州,北海道,和歌山,金沢の4カ所での交流を計画中である。

【図3-1-9 和歌山からの情報】 【図3-1-10 金沢からの情報】
(黒上晴夫:金沢大学教育学部)